愛の奉仕活動紹介
愛の奉仕活動紹介: Vol.30 野のゆり会
2025年06月20日
「野のゆり会」訪問レポート
今回は東京都文京区関口にあるカトリック関口教会に所属する活動グループ「野のゆり会」を訪問しました。関口教会は東京メトロ有楽町線の江戸川橋から徒歩で10分、JR目白駅からはバスで10分ほどの位置にあります。関口教会の正面玄関前の道路を挟んだ向かい側には旧山縣有朋邸であった椿山荘、周辺には旧細川庭園、日本女子大学などがあります。関口教会は1900年に小教区として設立され、1920年には築地教会から東京の司教座聖堂がこの教会に移されて現在に至っています。先の大戦の空襲で聖堂が焼失してしまいましたが、戦後ケルン教区の多大な支援を受けて1964年に現在の聖マリア大聖堂が献堂されました。この大聖堂は丹下健三氏の設計によるものです。敷地内に大司教館や引退した司祭のためのペトロの家があり、日曜日のみならず平日も内外から多くの方が訪れています。
カトリック関口教会の外観です。
聖マリア大聖堂の内部です。
野のゆり会は毎週日曜日のミサの前後や主の降誕前夜祭の時に信徒会館前で海外の教育支援の寄付金を集めるために、クッキーの販売をしています。6月の日曜日のミサ前にお邪魔をして代表の林純子さんさん、小平佳子さんにお話をうかがいました。
この日の担当メンバーの方々です。
40年前から続いている活動と聞いていますが、野のゆりの活動が始まった経緯と今までの歴史について教えて下さい。
今から40年前に、関口教会の御正登紀子さんを始めとする何人かの女性の信徒の方々が、海外の途上国の子供達のために活動をしたいと考えました。当時、三軒茶屋教会のあるグループの方々が小田原の製菓会社に、カトリック教会のチャリティー用のクッキーの製造をお願いしているのを聞いて、自分たちのグループでもその製菓会社のクッキーを販売して海外の教育支援を行おうと、この活動がスタートしました。
信徒や来訪者の方々とコミュニケーションをとりながら楽しく活動をしています。
現在のグループのメンバーと活動内容はどのようになっていますか。
現在のメンバーは6名で、その内、活動初期から活動しているのは小平さん、大谷さん、高木さん、松原さんの4名で皆さん元気に毎週参加されています。少し高齢化して荷物運びが厳しくなって来たこところ、林睦さん、3年程前から、若い男性の森川さんが活動に加わってもらい、販売、荷物運び等に協力して頂いております。
販売しているクッキーは現在も、引き続き最初の製菓会社から分けていただいていて、季節で少し変わりますが基本的にはクッキーの箱入りで、サイズ違い5種類と3種類の袋菓子を提供しています。
箱入りのクッキーで贈答品としても評判がいいです。
小分けにされた袋入りで、美味しくてすぐになくなってしまいます。
現在支援している団体・活動はどのような所があるのですか。
40年間で支援先はそのニーズの変化によって少しずつ変更はしています。2023年度には次の五つの団体に支援金を贈ることができました。
まず、「NPO法人ビラーンの医療と自立を支える会」というフィリピンのビラーン民 族の初等教育普及・奨学金支援に携わっている団体です。二つ目は「ネグロス雙葉会」というフィリピンのネグロス島で子供達の支援を行なっている団体です。三つ目は「認定NPO法人ESA」で、バングラデシュやインドの子供達の教育支援を行なっている団体です。四つ目は「イエスのカリタス友の会」で、イエスのカリタス修道女会のシスター方がボリビアのファティマ等で行なっている子供支援活動を支えている会となります。最後に、唯一の国内支援先として公益社団法人ガールスカウト日本連盟も支援をしています。
各支援先からのお手紙です。
教会との関係はどのようになっていますか。
私達の主な援助先は前にも述べましたように発展途上国の子供達の初等教育に対するものとなります。読み書きや計算が出来る事が大人になり、人身売買、戦争に加わる事無く生業を身につけられると信じて、自立を促すようにする援助活動です。
教会の皆様から、40年にわたりご賛同を頂き、現在に至るまでクッキー販売の活動を続ける事が出来ています。
抱えている課題はなにかありますか。
諸物価高騰の為、クッキーの仕入れ値が2割上がってしまい、売り上げの収益を寄付していますので、昨年来、寄付金を減額せざるを得なくなりました。
教会の皆様からもご支援を頂く為に、新しい商品等をもって活路を見出す為にメンバーで様々考えています。
この活動をされていて喜びを感じる時とはどんな時ですか。
この活動をしていて、一番の喜びを感じるのは、明るい笑顔に満ちた援助支援先の子供達から、神様、イエス様への愛と感謝に満ちたクリスマスカードが、毎年、習いたての英語で書かれて送られて来る時です。日本の子供達と世界の子供達の明るい未来と世界平和🕊️を願って、活動を続けています。
ファティマの子供達のクリスマスの様子です。子供達のカードも一緒に送られてきます。
ESAの子供達からのお礼状です。