愛の奉仕活動紹介

愛の奉仕活動紹介: Vol.26 神の御摂理修道女会こころの相談支援

2025年02月20日

「神の御摂理修道女会こころの相談支援」訪問レポート

今回は東京都目黒区中目黒にある「神の御摂理修道女会」を訪問して同会の『こころの相談支援』の活動について担当しているシスター関口にお会いしてお話を伺いました。「神の御摂理修道女会」の中目黒修道院は東急東横線の中目黒駅から歩いて10分程の閑静な住宅街の一角にあります。

修道会の入り口から教会をみたところです。

 

まず母体となっている「神の御摂理修道女会」について教えてください。

 神の御摂理修道女会は、尊者マザーアントニナ・ミルスカによって1856年にポーランドで設立されました。子どもたち、孤児たち、道徳面・教育面でなおざりにされている女性たちに、思いやりというキリスト教的な方法をもって教育することを特別の目的としています。設立の当時、ポーランドは周辺国から侵略を受けて、戦火の中でたくさんの孤児や女性たちが搾取や犯罪の危険にさらされていました。マザーミルスカ自身幼い時に両親を亡くし自ら孤児としての苦しみを経験しており、この孤児たちに将来自立した生活ができる様に職業訓練を伴う教育施設を作ることから修道会の活動を始めました。様々な福祉施設を設立してきましたが、活動地域がソ連領となり、施設の多くが国家に接収されて、障碍者施設の運営のみに制限されることを経験しました。現在では、ポーランドをはじめ、日本、スイス、ウクライナ、カメルーンの各地でシスターが幼児教育施設や福祉施設などで奉仕しています。

1976年に4人のシスターが来日し、サレジオ会の管区本部での奉仕を経て、大阪教区の幼稚園でシスターが働き始めたのが日本での活動の始まりです。東京の中目黒修道院はフランシスコ会の修道院を譲り受けたもので、当時ドイツ人司祭がいらっしゃったので、今でもドイツ人のコミュニティーがこの敷地内の教会でミサを捧げています。

日本では、東京教区と大阪教区の2か所に修道院があります。現在8名のシスターが、日々の祈りと共同生活をしながら、幼児教育や困難を抱える若年女性を支援する活動に従事しています。

中目黒修道院の建物になります。

 

聖堂内部です。

 

修道会の活動としてはどのようなものがありますか。

中目黒修道院では、2名のシスターは都内のカトリック幼稚園と教会学校で活動をしています。その他、創立当初の修道会のカリスマである困難を抱えた若年女性の支援に携われたらという思いをシスターたちが持っていて、どうすれば良いかを考えていました。ちょうどその時、15年程前ですが、DV被害女性のシェルターから、入居している外国人女性の通訳の依頼があり、その様な施設があることを知って早速そこのお手伝いをする様になりました。現在も同じシェルターで1名のシスターが奉仕を続けています。それと前後して、中央協議会の「女性と子どもの権利の擁護に関するデスク」の研修会で人身取引についてNPO法人の方が講演するのを聞いて、その団体を通じて性的搾取をされている若年女性を支援する活動にシスターたちが関わる様になりました。今は、歌舞伎町のトー横キッズをはじめ性的搾取に遭っている若年女性たちの支援をしているNPO法人の活動に2名が参加しています。私もデジタル性暴力被害者等の相談員として毎週3日活動しています。

『こころの相談支援』を始められた経緯について教えてください。

私は修道会入会後、修練期に入る前に幼稚園教諭免許を取得して、初誓願以降は修道会が関わっていた大阪教区の幾つかの幼稚園で働いてきました。その後、東京のサレジオ幼稚園で子どもたちに「かみさまのおはなし」をすることになり中目黒の修道院に来ました。

修道院で生活をしていると、様々な方から電話がかかってきて相談を受けることがあります。その中で、精神的に苦しんでいる方からのお電話を受けるケースが時々あり、自分として背景にある精神的な問題について理解していれば、もっと適切に対応できるのではと考え心理の勉強をしたいと思い始めました。ちょうどその頃に、修道会の総長が修道院を訪れる機会があって、総長にその希望を伝えたところ、大学に編入して学びなさいと許可が出されました。大学の通信教育で心理を学び無事卒業できましたが、総長から更に大学院へ行って資格も取ったらと後押しされました。その後大学院の入学試験を受けて、夜間の大学院へ通い修士課程を修了し、臨床心理士、公認心理師の資格試験を受けて資格を取りました。

10年前に資格を取得した頃、修道院の建て替えの計画が進んでいて、新しい建物の一部を心理相談ができるようにしてもらって、病院で勤務をしながらこの相談室を始めました。

カトリック教会にあまり心理相談の窓口はありませんが、修道会に様々な方から電話がかかってくることから、専門的知識を持ったシスターが対応する相談室があれば良いと考えました。

インタビューにお答えいただいているSr.関口です。

 

『こころの相談支援』の活動内容について説明してください。

開設当初から、相談室の広告を東京教区ニュースのVIVIDとカトリック教会情報ハンドブックに掲載してもらっています。相談に来られる方は、特にVIVIDを見て電話をしてこられる場合が殆どです。相談を希望される方からの電話は、開設当初から現在までコンスタントにあります。

ここでは、まず電話で問い合わせをしていただき、その時にお名前とおおよその話を伺います。そして、カウンセリングの枠組みとして、時間と場所の説明及び料金が自由献金である旨を伝えます。原則として対面で会うのはここの相談室になりますが、身体が御不自由等の事情がある場合は他の方法を検討します。相談日は月曜日と土曜日で時間は1回原則50分となっています。当日はお会いしてカウンセリングや相談をすることになります。この10年間の新規の相談者数はおおよそ一定しています。教区ニュースのVIVIDで初めて見ましたと言われる方が多く、普段は気にも留めなかった告知が自ら問題を抱えた時に目に入るのだと思います。困難にある人に神様が教会を通して、ここに招いてくださるのだと考えています。

修道院内の談話室です。

 

落ち着いた雰囲気の相談室です。

 

どのような方のどのような相談が多いのですか。

相談はご本人の相談が多いですが、関係する方の相談の場合もあります。相談内容は他のカウンセリングと同じだと思いますが、VIVIDを見て来られる方が多いことから、相談者はキリスト教の信仰を持っている人が殆どです。その点がかなり明確なのが他のカウンセリングとは異なるところかもしれません。相談をしていてもその方の信仰にかかわる領域に話がいくことがあります。信仰の話は一般のカウンセリングでは口にしにくい場合もあるようなので、安心して話していただけるという特徴があると思います。相談者によっては、霊的同伴という意味合いを持つことがあります。

他の教区内の他の支援グループとのつながりはいかがですか。

シェルター等の他の活動では若干繋がりがありますが、相談室自体では特に繋がりはありません。支援グループの繋がりとは違いますが、カトリック教会の場合、教会自体に横のつながりがあるので、教区外の地区からも相談者が来られているということがあります。

修道院入り口の名盤にはカトリック聖ミカエル教会の名が刻まれています

 

今、活動としてやってみたいことはなにかありますか。

私が高校生の頃、ミサが終わった後に教会の中で誰かと話したいと思っていたことがあります。それは、みことばの分かち合いとも違う、互いに人としての話を聞いてもらえる場所が欲しかったのです。この思いがあって、それとは少し違いますが、5年前に話のテーマを特に定めない「中目黒エンカウンターグループ」を開始しました。エンカウンターではファシリテーターが必要になりますが、ちょうど一緒にやっていただける信徒の方が見つかり、年に2-3回開催しています。一般的にエンカウンターの場合は泊まりで行うことも多いので、今後泊まりのグループを行いたいという希望があります。現在、大学院の時からの恩師にも相談していて、将来的に教会の人に呼びかけができればいいなと思っています。

活動をやっていて良かったと思う時はどんな時ですか。

活動をはじめてみて、今まで様々な方とお会いして話を聴く時間をいただきました。今日まで活動が続いていて、主が望んでいたことをやって来られたのかなと今回振り返ることができて、このような活動をやっていて良かったと思います。相談件数も私が対応できるようにうまく神様が配分をしてくださっているように感じています。