愛の奉仕活動紹介

愛の奉仕活動紹介: Vol.4

2024年01月22日

「一歩の会」訪問レポート

今回は東京都豊島区にある豊島教会で行われている「一歩の会」の現場を訪問しました。豊島教会はJR池袋駅の西口から徒歩圏で、西武池袋線の椎名町、地下鉄要町駅からほど近い山手通り沿いにあり、付近には立教大学が、また、構内には聖堂の隣に聖パトリック幼稚園があります。聖堂は建築家アントニン・レーモンドの設計によるもので、入り口上部には守護聖人「聖パトリック」のステンドグラスが設置されています。

豊島教会の聖堂です。

 

正面が聖堂、左側が信徒会館、右側が聖パトリック幼稚園です。

 

聖堂の入口上部に聖パトリックのステンドグラスが設置されています。

「一歩の会」は毎月最終金曜日に教会の信徒会館の厨房でお弁当を作り、夕方に立教大学と東京都芸術劇場の間にある西池袋公園に持って行ってペットボトルの飲み物や衣類・日用品等と一緒に配布する活動をしています。この会は岡田司教が東京教区の大司教に任命された2000年から始まり、すでに20年以上この活動を行っていて、教区の中でも最も長く続いているグループの一つです。

この活動には豊島教会の信徒の方々や聖公会の教会の方々やその友人や立教大学の学生さんや高校生の方々が和気藹々と参加されています。

私が訪問したのは大晦日が3日後に迫った12月の最終金曜日でした。午後3時過ぎにお伺いすると、厨房ではすでにご婦人方による野菜や肉の材料カットが始まっていました。お弁当のメニューは定番の肉野菜炒め弁当、沢庵付きです。

肉野菜炒めの具材のカッティングが手際よく進んでいます。

 

この日厨房で調理されていたスタッフの方々です。

一方、ご飯炊飯役は、当日の配布予測数を決めて、それに合わせた量のお米を炊きます。この日、池袋駅の反対側の東池袋公園でNPO法人TENOHASHIが越冬対策として6時半からお弁当配布を予定しているのでTENOHASHIの代表に状況の確認し、その上で、通常よりは少ない可能性があるが念の為準備する個数を通常の約150と決めてご飯の仕込みに入ります。業務用ガス炊飯器2台を2回転させて炊いていきます。ご飯が美味しく炊き上がる様に、研ぎ、浸し、水加減、炊き上げ、蒸らしを丁寧に行なっていきます。

並行して、厨房では肉野菜炒めの調理が進んでいき、お弁当の上に載せる具が出来あがっていきます。

次々に炒め作業が進んでいきます。

 

おいしそうなカレー味の肉野菜炒めができました。

この間、ホールではその日に配るために寄付されたパンの個別袋詰めと衣類の仕分け作業が進んでいきます。衣類の包装やタグ類等ゴミとなる可能性のあるものは全てあらかじめ外しておきます。

寄付された本当においしいパンが個別包装されていきます。

 

本日配布予定の衣類や日用品の詰まったバックです。

別のテーブルでは、お弁当容器へ詰める前準備として机の上に容器が並べられます。第一弾のご飯が炊けると、お弁当詰めが開始されます。

まず、ご飯を盛りつけ、その上に肉野菜炒めをのせて、ならしてから沢庵を横に添えて、輪ゴムで割り箸を挟んでレジ袋で個別包装にします。出来上がったお弁当76個は運搬用のスーツケースに詰め込まれていきます。第一弾出の包装が終わると、次のご飯の炊きあがりまで一息、次のご飯が炊き上がると第二弾の盛り付けをしていきます。

ご飯の盛り付け作業を学生さんたちが手際よくやっています。

 

ご飯の上に肉野菜炒めをのせていきます。

 

お弁当が出来上がっていきます。

 

作りたてほやほやの肉野菜炒め弁当です。

 

個別包装されたお弁当はキャリングケースに詰められていきます。

お弁当と衣類等の準備が終わると、配布品と机等の備品荷物を車2台に積み込みます。そして、全員が食卓につき、お祈りをしてから賄いの食事を食べたのち、現地での配布の役割分担を決めます。6時半過ぎに、後片付けのための留守番を数名残して他の人は車に分乗して配布のために公園に向かいます。当日は人数が多くて全員は車に分乗できなかったので、若者は歩いて現場に向かいました。

この車、信じられないくらい沢山荷物が積めます。

 

賄いのパエリヤと食事の前のお祈りです。

 

6時頃、公園に出発前にみんなでお祈りをして、賄いをいただきます。

7時前に公園に着くと、現地には別のボランティアの方がいて、既に100人以上の利用者の方が整然と列を作って待っていました。車で到着したボランティアは食料の配布と衣類の配布の各役割に分かれて手際よく準備をしていきます。配布には毎回フランス人の信徒方と友達が別途参加しています。7時の配布開始直前の並んでいる方の人数確認をした結果、予想通り人数が120名程度と用意した食料よりも少なかったので、2度並び直しが可能なことを前頭の方の人にあらかじめ告げます。7時になるとお弁当の配布が開始され、2つ希望する方は急いで列の最後尾に並び直します。最後尾には標識を持ったボランティアが付いていて、一巡目の人が1つ受け取ったことを確認して、2つ目のお弁当、パン、おにぎりの配布をしていきます。食料を受け取った後に、衣類を1点選んでもらいます。多くの方が再度並んで食料を受け取っていました。池袋という繁華街に近いこともあって利用者として若い人や女性、外国の方も比較的多く並んでいます。7時20には配布が完了し、公園を掃除してから教会に戻り後片付けをして活動が終了しました。

到着すると、既に100人以上の方の列ができています。

 

公園の内側に沿って列が公園内に伸びています。

 

衣類や日用品はブルーシートの上に種類ごとに広げられていきます。

 

お弁当の配布が始まるとどんどん列が進みます。

 

お弁当を受け取った方は、衣類を選んでいきます。

 

利用者の方が使っていた、雑誌や空き缶などを残さないよう丁寧に公園を掃除します。

 

代表の矢崎さんにお話を伺いました。
一歩の会を始めるきっかけはなんでしたか。

この一歩の会を始めたのは豊島教会の信徒で外山たかねさんです。それで、外山さんに一歩の会の始まりについて聞いた事をお話しします。豊島教会は、コロンバン会によって献堂され、マーフィー神父様、キーリー神父様方が、宣教師としていらっしゃいました。その神父様方が夕方になると池袋の西口でホームレスの方に話しかけたりポケットマネーを使って支援していたという話を聞いていたことが動機付けになっています。当時は、1990年代のバブル崩壊後、外山さんと一緒にもう帰天された有志数名の信者やシスターが、信徒が教会から社会に出て何ができるかという問いかけの一つに「ホームレスの方へ何かできないか」ということを考えました。そして、教会の周辺から色々と調べ、ホームレスの人々に食べ物お渡ししすることはできそうと、おにぎりを作って配りはじめたのが始めだったそうです。それがちょうど東京教区に岡田大司教が就任された2000年で、大司教のメッセージにあった「一歩」という言葉をいただき、「一歩の会」を始めたということでした。当初は15食くらいを声掛けしてお渡しするところから、無理せずに継続できるようにという思いで始められたそうです。

私は2020年に代表を引き継ぎ、現在は150食の手作り弁当を配るようになりました。

色々な方々が参加しているみたいですが。

豊島教会の信徒の方や聖公会の教会の方々やその友人や立教大学の学生さん等々様々な方が参加されています。信徒の高齢化がありますが、若い学生の方が参加していただけて助かっています。今後はさらに若い方々に参加してもらえるようにしていきたいです。

今後の課題についてはいかがでしょうか。

コロナの頃から並ばれる方の人数は少しずつ増え、今も増え続けています。150食では足りないこともあるようになりました。パン等他の食糧の寄付がない場合、配布できない人が出てしまうことがあります。実際、先月はパンや他の食品がなく10数名の並んでおられた方にお詫びをすることになりました。今後も増える利用者のためどのように対応するかが課題です。