愛の奉仕活動紹介

愛の奉仕活動紹介: Vol.7 枝の会

2024年02月20日

「枝の会」訪問レポート

今回は千葉県千葉市にある西千葉教会で行われている「枝の会」の活動現場を訪問しました。西千葉教会はJR総武線西千葉駅南口から徒歩8分、京成線西登戸駅から徒歩4分の閑静な住宅街にあります。聖堂の裏手にある昔は聖マリア幼稚園として使われていた建物が、現在は信徒会館として改装され様々な活動の中心として使われています。

西千葉教会の外観です。

「枝の会」は毎月第四土曜日に信徒会館の厨房で、ご飯と豚汁を作り、午後5時から千葉駅の近くにある千葉市中央公園で食料、衣類、日用品の提供をしています。「枝の会」からいただいた資料によれば、2001年頃から教会の福祉部の中で、千葉公園付近のホームレスの人々に対する話題が上がる様になり、2004年にかけて様々な方法で調査を行い千葉にもホームレスの方が130名程度いることがわかった。そして、他のプロテスタントの団体が千葉市中央公園で炊き出しをやっていることを知り、それに衣類などの提供することで参加をしました。2005年に現在の「枝の会」を立ち上げ、同年2月に豚汁とおにぎりの炊き出しを始めました。それ以来、行政や他のグループとも話し合いながら、生活保護への橋渡し、「共生夏祭りの開催」、夜廻り等、路上生活者の支援活動を行ってきました。2020年3月からコロナのために活動をやむを得ず休止し、2023年4月からお弁当とお茶と豚汁の炊き出しを再開したとのことです。

この活動には代表の佐藤さんをはじめ西千葉教会の信徒14名が中心となって参加しています。

私が訪問したのは1月の最終土曜日でした。午後2時過ぎにお伺いすると、これから作業を始めるために倉庫から様々な機材を運び出そうとしているところでした。厨房では豚汁の具材が調理台の上に並べられ、お米をとぐ作業が開始されます。お米は5Kgでご飯35パックを作ります。また、豚汁は、お代わりの分も含め少し多めに作ります。

丁寧に糠を取って、3升炊のお釜でご飯を炊きます。

本日の食材です。椎茸やシメジは下に隠れてしましました。豚肉は2kgの量を使います。

豚汁はその下準備として「コンニャク」はあくぬき、油揚げは油抜きを施し、途中アクを丁寧に取っていくなど丁寧に豚汁を完成させます。

豚汁の具材を手分けして手際よく刻んでいきます。

 

順番を考えて具材を投入し、お味噌を漉し器で漉しながら入れて豚汁が完成しました。

 

スタッフの皆さんの集合写真です。

一方、厨房の隣にある集会室では、ご飯を入れるバックが並べられ、黒豆が添えられて準備されます。ご飯が炊き上がるまで、主任司祭の福島神父様も参加してお茶をしながら今日の公園へ行く人等の担当を決めます。

ご飯が炊きあがると作業が再開され、ご飯が次々に盛られていきます。ご飯の上にふりかけをまぶして、沢庵を最後につけて完成します。残ったご飯で、おにぎりを握っておきます。35人以上並んだ場合はこのおにぎりを配ります。そして、このご飯パックとお茶、お菓子、お箸をセットにして袋詰めをして、運搬用に箱に詰めていきます。この日は、衣類などの物資があるためその配り方の相談が事前にされていました。

ご飯用のパックに今日は黒豆を添えていきます。

 

ご飯が炊けるまで、公園へ行く担当などを決めます。

お弁当の盛り付けをし、完成したお弁当と今日一緒に配るお菓子とお茶です。

 

お弁当、お茶、お菓子、お箸を一人分ずつレジ袋に入れておきます。

 

今日持っていく衣類とホカロンです。

午後4時過ぎになると、出来あがった豚汁を毛布に包んでダンボール箱に入れ、車に積み込みます。また、ご飯パックと衣類、配布用の器と配布用のテーブル等も積み、配布を担当するスタッフが2台の車に乗り込み公園に向かいます。

豚汁はキルトや毛布に包まれて段ボールに入れて運びます。

車2台に物資を積んで配布場所に出発します。

午後5時前に公園に着くと、30人くらいの利用者の方が並んで待っていました。この日は松戸教会の「山谷おにぎりの会」の代表上坂さんが現地から活動に参加します。娘さんは調理から参加していました。車で到着したボランティアはテープルをセットして豚汁とご飯のパックの配布の準備をします。時間になると豚汁を器に入れて、小判パックと一緒に渡していきます。食料の配布が始まると、その横で衣類や日用品をブルーシートの上に並べて準備をします。豚汁はおかわり自由なので、見ていると皆さん公園の思い思いの場所で食べて、「おいしい」と一人で2杯から3杯食べる方が結構います。寒い中での熱々の手間を掛けた具沢山の豚汁は格別なのだと思います。

到着すると提供の準備をします。すでに、30人程の列ができています。

 

おかわりは自由でお鍋の底が見えるまで盛り付けます。

また、防寒着、下着等の衣類や日用品も瞬く間に売り切れし状態になっていきます。スタッフの人たちが顔見知りの人たちや、新しくきた人たちと話をする光景が見られますし、スタッフを尋ねてきて現況を話している場面も見られ、利用者の方々との繋がりの歴史が感じられました。

 

防寒具、下着、靴下、髭剃りなどから選んでいきます。

20分ほどで豚汁も無くなり、ご飯パックとおにぎりも全部終わった後、後片付けをし、容器等が公園内に落ちていないかゴミ袋を持って点検に回って確認します。その後、車で教会まで帰り、厨房の後片付けをして午後7時過ぎに解散となります。

終わることには暗くなってきていました。

千葉地区では本当にホームレスの人が多かったが、最近は生活保護等の社会福祉を受ける人が増え、野宿をしている人の数は減少しているが、物価の上昇やコロナ等で、生活に困窮する人は増加しているようです。この会が昨年の4月に再開したときは12名程度だった利用者が10月からはずっと30人を超えている状態とのことです。代表の佐藤さんは、「毎回、ご飯は5kgで35人分位作っていますが、豚汁はお代わりの分も含め少し多めに作って行きます。お代わりするのを楽しみにしている人もいます。路上者が余りいなかった時は、教会の中から止めても良いのではないか?言われたりもしましたが、寒い中待っていてくださって、豚汁美味しかったよ!と言っていた方の笑顔を思うとやはり続けて行こうということになります。私達の方が励まされ、喜びを頂き、寒い日も暑い日も頑張ろうとスタッフは頑張っています。」とお話しされていました。