お知らせ
教区ニュース「カリタス東京通信2025年1月1日1月号」
2025年01月07日
「生活困窮者支援フェスタ」を開催しました
カリタス東京
事務局 田所 功
2017年、教皇フランシスコは11月の年間第33主日(「王であるキリスト」の祭日の前の主日)を「貧しい人のための世界祈願日」と制定されました。その年の教皇メッセージには次のように記されています。「わたしはこの祈願日にあたり、全教会と善意の人々に呼びかけます。助けを求めて叫び声をあげ、連帯を求めて手を伸ばしている人々にしっかり目を向けてください。彼らは天の御父によって造られ、愛されているわたしたちの兄弟姉妹です」。
8年前から、この祈願日に合わせて何かできないかと思っていましたが、新型コロナの影響もあり何もできずにいました。今年に入って、生活困窮者を支援している団体・グループの方々に声をかけたところ、「『フェスタ』と称してやったらどうだろう」「活動団体・グループだけでなく、関心のある人が誰でも参加できるようなイベントにしよう」との意見が出て、とんとん拍子で企画が進みました。そして、11月16日土曜日、東京カテドラル構内を会場として「生活困窮者支援フェスタ」を開催することができました。
まず、午前11時から関口教会の調理室にて炊き出し調理体験。活動団体ほしのいえ、田園調布教会グループ、松戸教会グループ、西千葉教会グループがスタッフとして調理指導しながら、カレーライス、おにぎり、豚汁を作りました。約40人が参加しました。その後、イベント参加者全員で試食会。調理したものを皆で食べました。午後2時からケルンホールで吉水岳彦(よしみず がくげん)さん(浄土宗光照院 住職)の講演会。テーマは「路上のいのちに向き合う 宗教を超えて」。山谷地域で育った吉水さんの小さい頃の体験、自ら立ち上げた支援活動団体の様子、そして宗教・宗派を超えた連携の重要性などをお話しいただきました。約80人が参加しました。午後4時からは、カテドラル地下聖堂で小池亮太神父(カリタス東京常任委員長)の司式で、「貧しい人のための世界祈願日ミサ」を捧げました。また、当日ケルンホールでは活動7団体が出展して活動紹介や物品頒布を行い、合わせて、活動16団体の紹介写真展示も行いました。
教皇フランシスコはこれまで、様々な機会に「『ケアの文化』を創りましょう」と呼びかけておられます。また、10月のシノドス閉会ミサの説教で、「座ったままの教会。まるで気付かないかのように世のことには関わらず、現実から離れたところで引きこもっている教会は、何も見ようとせず、自分の心配事だけを気にするだけになる危険を冒しています」と、具体的な行動を起こすよう呼びかけられました。私たち東京教区の一人ひとりが、窮乏する兄弟姉妹のために祈り、寄り添う人々の輪が広がっていきますようにと祈りたいと思います。