お知らせ
教区ニュース「カリタス東京通信2025年12月1日12月号」
2025年12月18日
「被造物のケア」に向けた取組
事務局 田所 功
回勅『ラウダート・シ』が世に出されて、今年で10年になります。教皇フランシスコは回勅の中で「わたしたちは、後続する世代の人々に、今成長しつつある子どもたちに、どのような世界を残そうとするのでしょうか」(LS 160)と問いかけられました。また、「被造界との落ち着いた調和を回復するために時間をかけること、わたしたちのライフスタイルや理想について省みること、そして、わたしたちの間に住まわれ、わたしたちを包んでいてくださる創造主を観想することです」(LS225)。「社会に向かう愛は、日々のささやかな言動を重視しつつ、環境悪化を食い止め、また『ケアの文化』を促進し社会全体に浸透させる、もっと大掛かりな戦略を考案するようにと私たちを駆り立てます。」(LS231)と呼びかけておられます。
2024年日本カトリック司教団は司教団文書『見よ、それはきわめてよかった――総合的なインテグラルエコロジーへの招き』発表しました。教皇フランシスコの回勅『ラウダート・シ』に学び、神、他者、自然、そして自分自身との、調和ある関係を求めつつ生きていくよう呼びかけるとともに、エコロジーについての理解を促し、実践へと招くメッセージです。
今年9月、教皇レオ十四世はローマ近郊カステルガンドルフォの教皇離宮庭園内に設けられた「ボルゴ・ラウダート・シ(ラウダート・シ村)」の開所式を行われました。この施設は、教皇フランシスコの「被造物のケア」についての教えを促進する目的で、「ラウダート・シ」の精神に沿い、環境を保全し、人間の尊厳を保護する教会のミッションに形を与えるもので、暮らし方、働き方、コミュニティの築き方の例を示そうとする、インテグラル・エコロジーの教育事業です。教皇レオ十四世は開所式の説教で次のように話されました。「イエスは、あたかも創世記の物語を暗黙のうちに繰り返すかのように、創造のわざの中で人間に特別に与えられた地位を強調します。人間は、神の像と似姿として造られた、もっとも美しい被造物です。しかし、この特権には大きな責任が伴います。それは、造り主の計画を尊重しながら、他の被造物を守るという責任です(創2・15参照)。それゆえ、被造物を大切にすることは、すべての人間にとって真に固有の召命であり、被造物そのものの中で果たすべき課題です。その際、わたしたちは、自分たちが被造物の中の被造物であり、造り主ではないことを忘れてはなりません。」
「被造物のケア」に向けて、私たちに何ができるでしょうか。節電に取組んでみる・再生可能エネルギー(太陽光発電など)を使用してみる・節水に取組んでみる・汚れを洗い流す時にはあらかじめ油を拭き取る・合成洗剤ではなく地球にやさしい洗剤を使用してみる・ごみ削減に取り組んでみる・プラスチックごみ削減に取り組んでみる・食品ロス削減に取組んでみる・使い捨てではなくリサイクルを意識してみる・環境問題や気候変動などについて勉強会などを開催してみるなど。日々の生活の中で、ライフスタイルを見直してみましょう。子どもたちが幸せに暮らせる世界を残すために。


