お知らせ
教区ニュース「カリタス東京通信2026年3月1日3月号」
2026年03月06日
自立援助ホームをご存知でしょうか?
青少年福祉センター 荒船 旦子
皆様は、児童養護施設についてはサレジオ学園の田村園長が過日教区ニュースの記事にされてご存知の事と思います。自立援助ホームは、児童養護施設を退所した子ども達の為に1958年に始まりました。その頃は、中学を卒業したら施設を退所し、殆どの子どもは住み込み就労をしていました。然しながら、簡単に仕事先に溶け込めるのは難しく、暫くすると失業してしまう子どももいました。その頃の子ども達は、戦災孤児が多かったために帰る家もなく、路頭に迷う事態も見られました。そのような頃、児童養護施設サレジオ学園に勤務していた長谷場夏雄氏が、子ども達に「僕たちの家を作って」という要請に答えて、神父になるのを諦めて始めたのが自立援助ホームの始まりです。
初めは4畳半一間で子ども達と寝食を共にしつつ、廃品回収や洋服の仕立てなどを行い、純益を子どもと職員で分けて生活をしていました。偶然、カトリック信者の麻生和子さんがその自立援助ホームに公衆電話を借りに立ち寄りこの事業を知って、カトリックの団体である「あけの星会」が援助を始めました。1964年には男子寮、1974年にはご支援で女子寮が始まりました。長谷場氏自身も広報に努めたこともあり、1961年には財団法人として認可され、少しずつ支援者も増えていきました。又、その事業に賛同を覚えた大島恭二氏が研究テーマとしてこの事業を取り上げ、各所に実績を知らせていくうちに行政の目に留まり、1974年に東京都より補助金の給付が始まりました。現在では児童福祉法の児童自立援助事業として、認められています。
対象者は義務教育を終了し、自立援助ホームでの支援・生活利用を希望する20歳未満の児童です。就労支援ですので、ホームより仕事に通いながら社会常識も身に着けられるように職員が寝食を共にして支援をしていきます。近年では高校卒業後、仕事をしながら上級学校に通う児童も増えています。本来は20歳までですが、学校を卒業するまで在籍することができます。
入居時には、子ども達がここに入りたいという意思の確認をして、契約を交わします。今まで諸々の事情で主体的に生きてこられなかった子ども達に、自分で決定をするという主体性を持たせると同時に、それに伴う義務と責任にも気づいてもらえるようにします。
職員は、社会に出て自立していかれる様に相談に乗りつつ、家庭で教えてもらえるような普段の挨拶や掃除・洗濯を始めとした一人で生活をしていく為に必要な事項を共に行っていきます。今まで自分の存在価値を見出せなかった多くの子ども達に、自分自身を見つめ将来を見据えて生活をしていかれる様にと支援をしています。
又、退所後も彼らの求めに応じて物心両面での支援も、行っています。彼らにとって実家の様な存在になれたらと思いつつ、職員は日々勤しんでいます。


