お知らせ
カリタス東京通信2023年11月号
2023年11月07日
生活困窮者支援団体・グループ交流会の開催報告
事務局 小池四郎
東京教区内では、外国人を含む生活困窮者の方々に炊き出し、子ども食堂、フードパントリー等の食糧・物資支援をしているカトリック系の団体、および、教会や信徒の関わっているグループが多数活動しています。これらに関わっている方々から「他の団体・グループの人の話を聞きたい」という意見を受けて、これらの団体・グループで活動しておられる方々の交流会を、9月3日に関口会館ケルンホールで開催しました。当日、主として山谷地区で活動する4団体、各地域で活動する12グループの合計16の団体・グループ、約30名の方々が参加しました。 まず、菊地大司教より愛の奉仕は教会の本質の一つであり、それを実践する団体やグループはそのおかれた場所で各々の愛の奉仕を行うが、それは孤立して行うのではなく互いに協力し合うことでより豊かになるので、このような機会に交流を深めてもらいたいというお話がありました。天本カリタス東京常任委員長の挨拶に続いて、参加した各グループの代表者より日常の活動の状況と課題について短い持ち時間の中で熱のこもった発表が続きました。休憩を挟んで、5つのグループに分かれて意見交換会に入り、日常の活動の中で感じていること、困難に感じていること、教区に対してやってもらいたいこと等を中心に活発な話し合いが行われました。その後、各グループの報告者から次のような意見の発表がなされました。 1) 支援ニーズによっては支援物資の過不足が生じることがあり、情報共有できるシステムがあれば、グループ間でそれらのやり取りをすることで物資の有効活用ができる。2) 病気やホームレスなどの問題に直面している方々に寄り添うために、他のグループと知識と情報の共有が必要。3) 高齢化に伴う孤独化問題、シングルマザー等若い世代における貧困の増加など、支援を必要としている方々の状況が変化しており、支援する側もそれに応じた支援をする必要がある。4) 外国人については支援を求める国籍もその幅がアフリカやスリランカ等に広がってきており、それに伴い支援物資の内容が変化する。5) 困難なケースの場合、外部団体・行政との繋がりと信頼関係の構築が組織として必要になる。6) 司祭や共同体の理解を得られて活動できることに感謝しているが、活動に消極的な主任司祭もいる。7) 教区に対しては、環境にやさしい容器・野菜のサプライ等の課題解決への支援と、人材確保のためのSNSの活用促進等を検討してもらいたい。8) 活動資金の調達に苦労している。9) フードパントリーや炊き出しの利用で、困っていないように見える方が支援の列に並でいることに対する苦情に対して、「その人はそれだけ困っているかもしれない」「自分以外の人のために、受け取っているのかもしれない」といった説明で反発を和らげている。 最後に、カリタス東京事務局より、これらの意見を踏まえて、今後継続して参加者の協力を得ながらネットワーク整備と課題解決に取り組むという方向性をご説明しました。