お知らせ

教区ニュース「カリタス東京通信2023年12月号」

2023年12月08日

「東京同宗連」に参加して

司教協議会部落差別人権委員会 東京教区担当者 枝松 緑

私は、カリタス東京が加盟する東京同宗連(「同和問題」にとりくむ宗教教団東京地区連帯会議)に2022年6月から東京教区の担当として参加しています。部落差別問題にかかわる学習や活動を進めるうちに、歴史の流れ、その時代ごとの権力者、強者からの圧迫差別が明らかになり、この構造は対応の仕方は異なっているが、本質的には現代にも共通していると感じています。 今年9月に行われた、関東大震災犠牲者追悼式に参加しました。会場では「2023年第二回日韓ユース平和フォーラム宣言文」と「市民の力で東アジアの平和を創っていきます」の文書が配布され受け取りました。宣言文には「真実を学ぶ権利を行使し、歴史的証言を継承していきます」「痛みを負い続けている人々の深い苦しみを共にします」「現実社会及び、インターネット上でのあらゆる差別と暴力を絶対に許さず、そのような言動があった場合には勇気を持って声を上げます」「内面化されている自身の加害性に向き合い、国籍や性別、バックグラウンドにかかわらず、すべての人の命と尊厳が守られ、誰もが個人として尊重される社会を日常生活の中で実践していきます」「軍事ではなく市民による平和外交を進めていくために、互いに協力して実際に行動をします」など若者の力強い決意が記されていました。軍事ではなく市民による平和外交、これは個々人が相手国の人と友人になることにより実現すると思います。互いに理解し合い、知り合う、ちがいを認め合う姿勢、そして常に対等、相手に対して本音で向き合う必要があると感じました。 東京同宗連では、現代の様々な差別に向き合い、ジェンダーや性差別(LGBTQ)についても、特別委員会、研究センター等を設けて啓発活動を重ねています。先日は、浄土宗東京教区主催の研修会「『性の多様性と私たち』LGBTQについて考える」に参加しました。この研修会では、3人のカミングアウト当事者の方々の発言がありました。当事者の皆さんがゲイであったりトランスジェンダーであったと気づいた時のことや、数々の葛藤、カミングアウトできた時の状況などの気持ちを語られました。初めて耳にした「ことば」たちに感激し登壇者の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいになりました。話せる勇気は理解者に出会えたからでしょうとも思いました。研修資料には、浄土宗教団として檀家信徒の問い合わせや仏前結婚式、戒名などにどう対応するのかなど、自分事として研究している事例が記されていました。現代人の悩みに寄り添い、人々の必要に応えようとしている姿勢が感じられました。 日常私たちの周囲に生きづらさを抱えた当事者の方々がおられることを忘れないでいたい。もし相談されたら、しっかり寄り添えるよう研修での学びを役立てたいと思います。カトリック教会も、自分らしく活きられる信者の共同体として成長し続けるグループでありますように。東京同宗連との関りは異なる教義、教団との協力、交わりの豊かさを実感できる場であり、聖霊の働きを体験できる場であると感じています。