カリタス東京ニュース

カリタス東京ニュース 2024年5月号

2024年04月23日

巻頭言

「受けるよりは与える方が幸いである」使徒言行録20・35

東京大司教区
アンドレア・レンボ補佐司教

あらゆるものが繋がりあってこの世の中は成り立っています。人との出会いや繋がりはもちろん、お互いに助け合い支え合うことによって、私たちは生きています。受け取ったり与えられたりの(Take・テイク)だけでなく、小さな行いでもいいから、恩返しや御礼をしたら、周りの人に喜びを与えて(Give・ギブ)いきますね。私たち一人ひとりのささやかな行いが周りの人を幸せにし、自分も行いを通じて幸せな気分になります。

パウロは、「受けるよりは与える方が幸いである」というイエス様の言葉を思い出すようにと言っています。そして、イエス様ご自身も、「自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな報いがあろうか。徴税人でも、同じことをしているではないか」(マタイ5・46)と言われます。わたしたちの信仰は愛のわざを通して明らかになるものであり(ヤコブ2・18参照)、イエス様が教えて下さった最高の愛のわざは、報いることも、おそらく感謝することさえもできない人に向けられるものです。この愛はギブ・アンド・テイクではありません。それは、わたしたちが社会の中に生きる者として身に着けたいと思っている顔と、一人ひとりのいのちの価値にかかわることです。人としての成長は、わたしたちの心の扉をたたいている人に心動かされ、共感できるかどうかにかかっています。

 

インフォーメーション

カリタス東京常任委員会委員長交代

東京教区の人事により、2022年4月のカリタス東京創設以来常任委員会委員長を務めてこられた天本昭好神父が退任となり、4月から新たに小池亮太神父が常任委員会委員長に就任されました。

 

5月26日上智大学のASF(All Sophians’ Festival)に出展します

5月26日日曜日に上智大学キャンパスで行われる「オールソフィアンの集い(ASF)」にカリタス東京がカリタスジャパンと合同で出展します。出展は次の3点を予定しています。

1)  国際カリタスのキャンペーン写真展示、2)能登半島地震復興支援募金受付、3)カリタスTシャツの販売。

上智大学の関係者のみならず何方でも参加できる催しです。多くの方にご来場いただければ幸いです。

 

愛の奉仕活動の紹介コーナー

「あしたのいえプロジェクト」訪問レポート

今回は東京都千代田区にある麹町教会に所属する活動グループ「あしたのいえプロジェクト」を訪問しました。麹町教会は聖イグナチオ教会という名でも呼ばれて、JRと東京メトロの四ツ谷駅の目の前という東京教区の中でも最も交通の便のよい教会の一つです。1936年に設立された「幼いイエズスの聖テレジア教会」を前身とし、戦中の空襲による聖堂焼失等を経て、戦後1947年に麹町教会としてイエズス会に東京大司教区から委託されました。現在の聖堂は、1999年に建設された円形の聖堂を持つ特徴のある建物となっています。また、東京教区内で最も所属信徒の多い教会でもあります。

麹町教会の入口付近です。

 

あしたのいえプロジェクトでは、生活困窮者の方々のためにシェルターの設置と運営、及び生活相談を行っています。あしたのいえプロジェクトの事務所は大聖堂の横にある信徒会館の一室に設置されています。今回は、スタッフの高橋さんと藤澤さんにお会いして活動に関する話をうかがいました。当日、シェルターの一室を見学させていただく予定でしたが、急に利用者が決まったとのことで、シェルターの様子についてはあしたのいえプロジェクトから予めいただいた写真を使わせていただいています。

あしたのいえプロジェクトの事務所は信徒会館の一室にあります。

 

2020年から活動を開始したとのことですが、シェルターを始めた経緯について教えて下さい。

教会で生活困窮者支援の活動をしていた信徒の方から、生活困窮者の自立支援のための資金として遺贈がなされ、それを原資として基金が設立されました。そして、教会としてその活用方法を検討し続けていました。一方で、2017年に生活困窮者の一時的な住居を15年間にわたって提供してきた「IMA緊急シェルター」の活動が諸事情で活動を停止することになり、それに替わる施設が求められていました。そのような状況の中、2020年4月にブラザーと信徒の有志によって基金と寄付を利用して生活困窮者の為のシェルターを設置し運営する「あしたのいえプロジェクト」が提案され、当時の主任司祭の承認を得てスタートしました。

 

あしたのいえプロジェクトの組織はどのようになっていますか。

組織としては、担当司祭のほか10名で構成され年間の活動計画や予算に関わる決定をする運営委員会、必要に応じ運営と業務の手助けやアドバイスをする実務グループ、実際の業務に携わる業務グループがあります。業務グループには担当司祭の下に専任スタッフが1名、兼任スタッフが1名、ボランティアスタッフが1名となっています。

今回お話をうかがったスタッフの高橋さん(右)と藤澤さん(左)です。

 

施設の内容はどのようになっていますか。

居住施設は単身者向けのワンルーム3室を地域的には23区内に点在する形で借りています。その内、一部屋は大家さんの承諾を得て3名までが滞在することが可能なものを確保しています。これは、過去に借りていた部屋の管理会社が代わった際、複数人で利用することに折り合いがつかなくなった経験から、家族など複数人での利用ニーズにも応じられる部屋を新たに確保しなおしたものです。

清潔感いっぱいのシェルターの一室となります。

 

利用期間はどのようになっていますか。

2室は長期用で最長6ヶ月利用可能となります。入居者の多くが難民申請中等の方で長期の利用が見込まれますが、途中で他に移る環境が整う場合もあるので、利用期間については3ヶ月程度で一度区切り、様子をみるようにしています。

退去後の住まいは利用登録団体が準備します。公的支援を受けてアパートに入居される方、別のシェルターに転居する場合やシェアハウス、簡易宿泊所やホテルに短期的に行くことになる場合等、様々です。また、3室すべてを長期用として運用しているといつも満室状態になってしまうため、緊急性の高い入居依頼にも対応できるよう1室は短期(1ヶ月)利用の部屋として運用しています。

入居者はどのように決まるのですか。

予め利用登録している支援団体が25団体あって、それらの団体経由で申し込みがされます。利用の条件は、生活困窮状態にある方で独居ができ通常の日常生活が送れる心身状態の方となり、その条件に該当するか否かは登録団体の方に判断してもらうことになります。複数の入居依頼が重なった場合は、その緊急性を考慮し「あしたのいえプロジェクト」側で判断して入居者を決めます。入居者の生活の支援は基本的には支援団体が行うことになっています。妊婦の方の急な体調不良や入居者と連絡が取れなくなるなど緊急の場合を経験したことから、現在は支援団体にもスペアキーをお渡しし緊急時により迅速に対応できるようにしています。

利用者の外国人・日本人の割合、入利用者の状況はどうなっていますか。

最近の利用者は外国籍の方がほとんどです。2023年度には17世帯27人(内、子供7名)を受け入れ、その内日本人は1名だけでした。この傾向は数年前から続いています。入居される方の状況は日本人の方が病気や貧困、あるいはDV等複雑な状況を抱えていることが多いと思います。しかし、日本人の場合行政等の公的な生活支援制度が様々あり、入居直前に他の制度の利用が決まりシェルターの利用がキャンセルされるケースもあります。外国人の場合は難民申請中や仮放免の人が多く、また在留資格にもよりますが、社会側に受け皿となる支援制度が整っていないために必然的に民間シェルターへの利用希望が多くなります。祖国での状況や来日の背景は様々でしょうが、難民認定やわずかな公的支援を得ることはどの方にとっても厳しい状況が続いています。2023年度はポストコロナで渡航制限もゆるみ、アフリカ系をはじめ日本へ逃れてくる方が急増したようですが、2024年に入って少し落ち着いてきているようにも見えます。

藤澤さんの日常の活動の内容はどのようなものがありますか。

日常業務としては各シェルターへ2~3週間に1回程度の定期的訪問を行っています。基本的に、食糧支援等の日常の支援は紹介団体の役割ですが、私たちも訪問時に様子伺い、設備等の確認、日用品の補充などを行います。必要な方へは入居証明書の発行等も行っています。また、郵便の出し方、買い物の場所等々入居者の方の日常生活に関する質問にも答え、時にはお子さんと遊んだりミニ日本語レッスンをしたり、日本の気候や文化のこと、流行りのアニメの話など、気楽な会話を楽しむこともあります。以前は退去後の掃除もスタッフやボランティアで行っていましたが、現在は人手不足もあり外注することが増えています。また教会内のあしたのいえ事務所では教会を頼ってきた生活困窮者の方の相談を受け、お困りごとに合わせ適切な支援団体に繋ぐなどの活動も行っています。

 

広報紙「あしたのいえにゅーす」です。

 

 

様々な国から来られる外国人が増加すると、言語や生活習慣等が違って対応に苦労すると思いますがいかがですか。

あしたのいえで対応できるのは英語のみです。言語によっては支援団体が通訳を付ける場合もありますが、共通言語がない場合はグーグル翻訳でコミュニケーションを取るようにしています。以前は、日本に長く住んでいた方の利用が多かったのですが、最近は、来日後すぐに入居されてくる方も増えていて、家電の使い方の説明はもちろん、民間のアパートを活用しているシェルターなのでごみの分別とか夜間は洗濯機を回さないようにとか、日本の特有なルールを理解して周囲に配慮した生活をするように説明とお願いをするのに一苦労です。また地震などの自然災害に備え、避難等に関する多言語マニュアルの必要性を感じています。

外国人の方の入居中の状況はいかがでしょうか。

入居された方は、月日が経過するうちに日本における滞在の厳しさに次第に元気を失っていく方も少なくありません。特に、夫婦で入居しても外に出かける資金がなく閉じ込められたような生活が続き、ぎすぎすした感じになってしまうケースもあります。厳しい生活が続く中でも、出来るだけ社会に出たり人と接する機会を増やせるように、麹町教会のカレーの会などの社会活動へのボランティア参加や、岐部ホールの日本語学校での学習など、入居者のニーズをお聞きしながらそれに合う教会内での活動の紹介もし、それらに参加した場合にはその交通費をあしたのいえで負担できるようにしています。

入居者のお世話をしていて喜びを感じる時とはどんな時ですか。

あしたのいえに繋がってこられる方々は、長年路上生活を続けてきた人、何らかの事情で祖国を離れざるを得なくなった家族等、一人一人様々なバックグランドをもっていて、現在置かれている状況も一人一人違いますが、いずれも住まいを失った方、失いそうになった方々です。住まいの支援をすることでまずはその方々に「住まいの心配のない生活」に入っていただけること、この基本的なこと自体に大きなやりがいを感じます。そしてあしたのいえでエネルギーを蓄え、自分の希望する次のステップを見つけて歩みだしたときに、未来に繋げる安全な場所を一時でも提供できたことにまた改めて喜びを感じます。

私たちはとても小さな団体で時に大きな壁にぶつかることもありますが、生活困窮者への支援のために遺贈をされた方、あしたのいえの設立に携わった方々の熱い想い、その際に掲げられたあしたのいえの「理念」や「方針」、それらに折りに触れしっかり立ち返りながら、今後も活動を継続していきたいと思っています。

あしたのいえの理念

ひとりひとりにある賜物が差別・排除によってないがしろにされることなく、ひとりひとりが生かされる社会を作り出すことを目指しています。

あしたのいえの方針
  • 安全を守る
  • 尊厳を守る
  • 意思表明の自由を尊重する
  • 将来に関する希望の実現を支える

 

 

多摩川支援の会「TAMAちゃん」訪問レポート

今回は東京都大田区にあるカトリック田園調布教会で行われている多摩川支援の会「TAMAちゃん」の活動現場を訪問しました。カトリック田園調布教会は聖フランシスコ教会としても知られ、東急東横・目黒線田園調布から歩いて10分、同多摩川線多摩川駅から歩いて8分ほどのところの閑静な住宅街の一画にあります。カトリック田園調布教会は1931年にカナダ・フランシスコ会の宣教師によって創立されて地域の宣教活動の拠点となり、戦中の困難な時期を乗り越えて、戦後の日本の復興と共にさらに発展してきました。東京教区内でも3番目に信者数が多い教会となっています。現在の聖堂は1955年に建てられたもので、敷地内にはフランシスコ会の修道院があります。

カトリック田園調布教会の聖堂外観と内部です。

 

多摩川支援の会「TAMAちゃん」は毎月第二金曜日にスタッフの方々が作ったお惣菜でお弁当を作り、それにお菓子やカセットボンベ等の日用品を付けて、近くの多摩川の丸子橋から上流の東京側と川崎側の河川敷に住んでいる人々にお届けに行くという活動を行っています。また、同時にお弁当とお菓子を横浜教区のカトリック中原教会・カトリック溝の口教会の『野宿者の見守り支援「中原パトロール」』というアウトリーチチームに提供をしています。

3月の第二金曜日の活動に伺わせていただきました。東京でも雪が積もるという予報が出ていましたが、当日は雪が夜半にやみ、雪は解けたものの寒い1日となりました。聖堂下の厨房に併設されている食堂でお弁当作り等の作業が行われます。お弁当調理スタッフの方々が次々集まってきて、まず、ご飯を炊くことから調理が開始されます。今日作るお弁当の数は21食分でお米3.2Kgを炊飯します。

お弁当に入れるお惣菜は栄養バランスを考えたメニューに従って、スタッフが手分けをして調理したものが持ち寄られます。この日のメニューは、焼き鮭、筑前煮、ほうれん草の胡麻和え、ひじきの煮物、さつま芋の甘煮、玉子焼き、うぐいす豆の煮豆、漬物の8種類のおかずとご飯250gとなります。高齢者が多いことから、おかずは柔らかく噛みやすいもの、また高血圧の方や糖尿病の方も多いことから、塩分や糖分等にも注意をしているとのことでした。

本日のお弁当に添えられる手作りのおかずです。

 

炊飯をしている間にお弁当を入れる容器の準備をします。同時に、お弁当に添えるメッセージカードが一つ一つスタッフの手書きで用意されます。

食べる方へのメッセージカードが一枚一枚手書きで作られます。

 

お弁当の容器は、利用者の方が河川敷におられることを考慮して、竹繊維で作られた環境対応のものを使用しています。容器にはご飯が容器にこびり付かない様に予め紙が敷かれています。おかずがお弁当詰めのためにテーブルに用意されてお弁当を詰める準備が整いました。ご飯が炊きあがると、扇風機でさましてから、250gを計量して容器に詰めていきます。

お弁当の容器は環境対応のものを使用しています。

 

その後、おかずを入れていきますが、おかずの数が多いので入れる位置決めにテクニックを要します。全部入れ終わると、ネームカードとメッセージカードを張り付けてお箸を付け袋に入れて完成します。

おかずがぎっしり詰まった特製のお弁当の完成です。

 

TAMAちゃん弁当のラベルとメッセージカードが添えられます。

 

お弁当の用意と並行して、お弁当と一緒に渡すお菓子や果物、飲み物、ホカロン等の日用品を一人分ずつ袋詰めします。

本日手渡すものです。

 

配布物の準備が出来た段階で、おにぎりでミーティングとなります。

本日の調理チームの、メンバーです。

 

午後1時30分になると中原教会の方が「中原パトロール」で配布するお弁当とお菓子他を取りに来ます。この日は中原側分として10人分が渡されました。

中原パトロールの方にお弁当とお菓子を託します。

 

午後2時頃から、アウトリーチのチームの方が集まり始めます。この日のアウトリーチの訪問予定は東京側が5名、川崎側が6名の11名となります。今日のアウトリーチのスタッフは5名で、川崎側に3名、東京側に2名で私は東京側に加わります。

本日のアウトリーチチームの方々です。

 

車に支援物資を積み込み、最初の訪問先である多摩堤の駐車場に車を入れて、3人分のお弁当やお菓子・飲み物等を持って、河川敷に向かいます。

早咲きの桜咲く河原を歩いて訪問先に向かいます。

 

廃材やビニールシートで居住スペースを作っている3軒に声をかけていきます。出てこられない方の場合、隣に居る方にお弁当と支援物資を預けておきます。おられる方とは近況や体調など10分ほどお話をしていきます。野宿者の方との信頼関係がよく表れていると感じました。

一人一人声をかけて、話を聞きながらお弁当を手渡しします。

 

ここの住人は、飼い主に河原で捨てられ、人間にいじめられていた猫達を保護して世話をしていている優しい人たちです。この猫と野宿者の交流は、映画「たまねこ、たまびと」(棄てたのは人間 守るのも人間)で取り上げられました。

飼い主に捨てられ、河川敷の住人に保護されて救われた猫です。

 

次に、車で下流の多摩川駅に向かいます。車を多摩川駅前の駐車場に入れて、橋桁下まで荷物を持って歩いていきます。そこには2人の方が居ます。橋桁の下では、囲いを作ることができず、上からの雨はしのげるものの、横から吹き込む雨にはさらされる生活を余儀なくされます。それらの方々にお弁当と支援物資を渡しながら、生活や体調について話をします。「体を洗うのに水しか利用できないので、手関節や唇の「あかぎれ」がすごく、もらったワセリンは使っているが、暖かくなるのを待つしかない。」とか「野宿生活になってから熟睡したことがない。」といった厳しい生活に付いて淡々と語ってくれました。

お一人には本人の希望で一か月分の「聖書と典礼」が届けられます。

訪問が終了すると教会に戻り、川崎側のチームと情報交換を行ってその日の活動は終了します。

後日、4月の第2金曜日に川崎側のアウトリーチに参加しました。午前中は雨が降っていましたが、お昼には雨も止み青空もみえる天気の中、車で川崎側の河川敷近くの駐車場に車を止めて、イースターエッグ付きお弁当、お菓子、飲み物、カセットボンベ等を6人分持って河川敷に向かいます。

雨上がりでぬかるみが予想されるため長靴に履き替え、現地に向かいます。

 

今日は、飼っている猫の餌も持っていきます。まだ、桜が綺麗に咲いている河川敷を歩いてブルーシート等で作られた住居に一軒ずつ声かけをして、体調のことや、必要としている物資などを聞きます。「花見の人が夜遅くまで騒いでゴミを散らかしていく」、「風が強い日があり風向きによって家が飛ばされそうになる」、「腰が痛くてアルミ缶集めができない」等々日常生活の話題を話していきます。人によっては、お弁当を受け取って直ぐに引っ込んでしまう人もいますが、できるだけ話かけるようにしているとのことです。

この猫達の為に今日はキャットフードを用意しました。

 

河川敷に点々と存在する6軒を訪問し終わると教会に戻って東京側のチームと情報交換をして解散となります。

 

福祉委員会の代表の関戸さんやスタッフ皆様にお話をお伺いしました。

教会の福祉委員会としてこの活動を始める経緯について教えてください。

2019年10月に関東を襲った台風19号で、河川敷にいたホームレスの方が増水した河川に流されて死亡するという痛ましいことが起こりました。このことをきっかけに、以前から生活困窮者に関心を持っていた信徒の方が、自分たちで教会付近の河川敷のホームレスの状況をアウトリーチしながら調査を初めて、当初は8名のホームレスの方繋がりを持ち、月2回、ゆで卵やロールパンなどの食糧のお届けを開始しました。

そして、2022年の初めに支援していた方が孤独死されるという痛ましい現実がありました。また、教会付近の河川敷には炊き出しに並ぶのが難しい病人や高齢者がいるけれど、他の支援が薄い地域であるという現状がありました。アウトリーチを行っていた信徒の方から、少しでも栄養価の高いお弁当を定期的に届ける等手厚い支援をしたいのだけれども、福祉委員会として一緒にできないですかという相談がなされました。福祉委員会の代表者もこの信徒の方々の活動には関心を持っていて情報交換はしており、相談を受けてから活動を始める方向で主任司祭に話を持って行ったところ、社会に向けた活動として快く受け入れていただきました。スタッフ集めを開始したところ十数名の方が手を挙げてくれ、その中に他の活動団体で経験をしていた方や海外でボランティアの経験がある方など様々なかたがいました。こうして、2022年10月から福祉委員会の活動の一つとして月一回お弁当を作ってお届けするという活動が始まり、現在は、お弁当作りやお菓子や支援物資の準備をするグループとアウトリーチに出かけるグループが連携して活動をしています。

スタッフの方々はこの活動をどのように考えているのでしょうか。

信徒の方々も河川敷を散歩するときに、野宿者が河川敷で生活しているのは知っていて、気にはしていました。教会として何か出来ないか考えていた時に、支援活動の話が出たので手を挙げました。そして、同じ様に考えている方がいて、様々な方がスタッフとして手を挙げたのではないでしょうか。教会の内向きの活動は盛に行われますが、社会に向けた支援、まして教会の直ぐ近くで困難にある方を支援することも重要な活動であると思います。

 

カリタス東京活動報告

東京教区災害対応ワークショップが開催されました

3月15日、司教協議会より成井司教ほか六名が来訪され、教区本部会議室で東京教区災害対応ワークショップが開催されました。教区本部機能が、災害時の初動としてどのように動くかについて学びました。アンドレア司教、教区本部事務局、カリタス東京が参加しました。

詳細はこちらをご覧ください: