愛の奉仕活動紹介

愛の奉仕活動紹介: Vol.31 生活困窮者を支援する会

2025年06月20日

「生活困窮者を支援する会」訪問レポート

今回は東京都文京区関口にあるカトリック関口教会に所属する活動グループ「生活困窮者を支援する会」を訪問しました。関口教会は東京メトロ有楽町線の江戸川橋から徒歩で10分、JR目白駅からはバスで10分ほどの位置にあります。この場所は常陸国の松平頼徳公の屋敷跡で、1877年以降、築地神学校教授のレイ神父によって聖母仏語学校、食パン製造部(現在の関口パン)等が設置されました。その後、1899年に当時東京で最大の関口天主堂が健堂され、翌年小教区聖堂として認められました。そして、1920年には築地教会から東京の司教座聖堂がこの教会に移されて現在に至っています。先の大戦の空襲で聖堂が焼失してしまいましたが、戦後ケルン教区の多大な支援を受けて1964年に現在の聖マリア大聖堂が献堂されました。この大聖堂は丹下健三氏の設計によるものです。敷地内に大司教館や引退した司祭のためのペトロの家、韓人教会の事務所があるカトリックセンターがあり、日曜日のみならず平日も内外から多くの方が訪れています。

カトリック関口教会の外観です。

聖マリア大聖堂の内部です。

6月の活動のある日曜日のミサ前にお邪魔をして代表の小池規久子さんにお話をうかがいました。

生活困窮者を支援する会の活動が始まった経緯について教えて下さい。

今から3年前に関口教会の信徒数人が集まって、生活困窮にある人のために何か活動できないかを考え始めました。話し合いの中で、既に活動をしているグループや団体を支援する活動であれば、直ぐに始められるのではないかということになり、支援先を探しました。その結果、関口教会の若者も参加している山谷夜廻の会、麹町教会の毎月曜日の朝ホームレス等の方にカレー弁当を配っている聖イグナチオ・カレーの会、さらに、関口教会の助任司祭だった高木神父さまが所長をしているカトリック東京国際センターを支援先とするとこに決めました。活動を始めるにあたって、主任司祭と運営委員会の承認をいただき活動を開始しました。

偶数月は聖イグナチオ・カレーの会への献金、山谷夜廻りの会への献品のセットとなります。

現在のグループのメンバーと活動内容はどのようになっていますか。

現在のメンバーは約8名で、毎月第一日曜日に活動をしています。偶数月は麹町教会の聖イグナチオ教会カレーの会へ支援金の献金、奇数月はカトリック国際センターへの食料品等の献品と献金をおこなっています。また、山谷夜廻りの会の献品は毎回行っています。カトリック国際センターへの献品は活動日の翌週には目黒にあるセンターの事務所に運んでいます。山谷夜廻りの会への献品については、分類等を若者のグループが行い、教会のメンバーの方が必要に応じて持っていってくれます。

信徒会館前で活動をしていると、信徒の方々がミサ前後に立ち寄ってくださいます。

現在支援している団体・活動はどのような所があるのですか。

現在支援させていただいている団体は3つです。麹町教会の聖イグナチオ・カレーの会は、コロナ前は毎週月曜日に教会の信徒会館の1階で野宿者の人たちにカレーを提供したりシャワーを提供したりしていましたが、コロナ禍以降はカレー弁当を朝早くから提供しており、その数は最近では毎回200食以上となっています。

カトリック国際センターは東京教区ニュースでも毎月記事を掲載していてご存じの方も多いと思いますが、日本で困難を抱えている外国の方に食料やその他の生活支援をおこなっている教区の組織です。その時々の国際情勢によって頼ってこられる方の地域や国籍が変化しますが、担当しているシスターと連絡を取り合って出来るだけニーズに合うような食料や生活用品を集めるようにしています。

山谷夜廻の会はフランシスコ会の中谷神父様が山谷で始めた活動がその源流となっている活動で、現在は若い人たちが中心となって、様々な年齢層、地域の方が月2回(第1、第3木曜日)集まって山谷地区のアウトリーチをしています。そこで配布する衣料品を中心に献品を集めています。(聖イグナチオ・カレーの会山谷夜廻の会に付いては、カリタス東京のホームページの愛の奉仕活動紹介コーナーで詳しく紹介されていますのでご覧ください。)

聖イグナチオ・カレーの会の活動日の朝、麹町教会の前にはカレーを受け取る人の列ができます。500グラム程度あるカレー弁当です。

集められた献品は、山谷夜廻りの会のボランティアの手によって山谷の人々のもとに届けられます。

 

集められた食料品はカトリック国際センターのシスター方の手を通じて外国からきている困窮者の方々に渡されて行きます。

教会との関係はどのようになっていますか。

現在、教会の活動グループに所属しており運営委員会等の活動にも参加しています。支援日の前週には教会の週報で呼びかけてもらっていて、毎月信徒の方々から寄付金と様々な寄付をいただいています。高齢者の方が、キャリーで食料品の箱を積んで持って来てくださる場合もあります。また、活動日以外に商品を入れておくボックスを置かせてもらっています。

抱えている課題はなにかありますか。

活動している人が高齢者だけにならないように、若い世代に人にもできるだけ声をかけて活動に参加してもらえるように心がけています。物価高騰で支援を求めてきている人が増えてきていると活動をしている方からは話を聞いています。初めて歴史があるわけではありませんが、出来るだけ継続して活動が続けられるよう、信徒の方々のご理解を得ながら頑張っていきたいと考えています。

出来るだけ参加しやすいように出来る範囲で協力して活動しています。

この活動をされていて喜びを感じる時とはどんな時ですか。

愛の業の実践を求める教会共同体の中で、信徒の方々が生活に困っている人たちのために何かしたいと思い、食糧や衣類をお持ちになり、あるいは献金をしてくださる。その想いと献品・献金を確実にお届け出来るように出来た時に、両方の想いと笑顔が心の中で結び付くことにこの活動の喜びを感じます。